据置機のスペック競争なんかお構いなしに1億1800万台売れたゲームボーイ。
日本国内での “ミリオンセラーソフト” は意外に少ないですが、1996年にあの “バケモノ” コンテンツを生み出しました。
図表
読解
ゲームボーイ 国内トップ10
> 序盤
ゲームボーイ初期は、「スーパーマリオランド」(1989年4月)をはじめとする “マリオシリーズ” がやはり強いですが、特筆すべきは「テトリス」(1989年6月)や「ドクターマリオ」(1990年7月)などのいわゆる “落ちものパズル” でしょう。
> 中盤
ただ、普及台数が最終的に1億1800万台以上に達したにもかかわらず、日本国内での “ミリオンセラーソフト” は意外に少なくて、18タイトルしかないんですよね。
(ファミコンは39タイトル)
そのためか、1994年ころ(ゲームボーイ発売5年後)から、200万本を超えるタイトルがしばらく出てこなくなります。
この90年代半ばころ、いったい何が起きていたのでしょうか?
1994年12月にソニーが「初代プレステ」でゲーム市場に初参入し、1996年6月には任天堂が「NINTENDO64」を発売。
> 終盤
そう。
ポケモンシリーズ。
(1996年2月~)
ちなみに、このランキングでは初期の7タイトル(「赤」「緑」「青」「ピカチュウ」「金」「銀」「クリスタル」)をすべて合算した数字(最終的に2300万本)になっています。
なぜ、初期の7タイトルをごちゃ混ぜにしているのか、理由はよくわかりません。
「『CESAゲーム白書』でそういう扱いになっているから」としか言いようがないのですが、一応、この7タイトルは「大部分が同じ内容のゲーム」という整理だから?なんでしょうか。
1タイトルだけでも相当な販売数のはずなのに、ぜんぶ合算は反則というか、さすがに外れ値にもほどがある。
とはいえ、周知のとおり、その後のポケモンシリーズは、日本でも世界でもそれはもうとにかく売れまくりなので、その雰囲気を視覚化するためあえて除外していません。
アニメや関連グッズなども考えると、ポケモンはもはやIP(Intellectual Property、知的財産)としてゲームの枠を超えた独自の娯楽ジャンルというくらい別格な感じです。
> 末期
それと、ポケモンシリーズのせいで目立たなくなっていますが、ゲームボーイ末期(’98~’01)に登場した「ドラゴンクエスト モンスターズ」(1998年9月)シリーズも見落とせません。
「ドラゴンクエスト モンスターズ」って、現在でも新作が出ればそれなりに売れていると思いますし、スクエニはもうちょっとこのシリーズを出す頻度を上げた方がいいと思うんですよね。
「ドラクエ」本編(ナンバリングタイトル)の発売間隔が長くなっている以上、子どもたちに「ドラクエ」に触れ続けてもらうには「ドラゴンクエスト モンスターズ」がピッタリじゃないでしょうか。
補完
注記
図表タイプ
バーチャートレース(Bar Chart Race、BCR)
対象期間
1983年7月から1992年2月まで
情報源
◆任天堂タイトル:決算資料(IRライブラリー)、主要タイトル販売実績
◆スクエニタイトル:決算資料(IRライブラリー)
◆カプコンタイトル:決算資料(IR資料室)、ミリオンセールスタイトル
◆その他タイトル:2021 CESAゲーム白書、2023 CESAゲーム白書
(なお、「CESAゲーム白書」は完全リニューアルされ、2024年度から「CESAゲーム産業レポート」として刊行)
略称表記
各ゲームタイトルのバーをタップするか、マウスホバーしていただくと、そのゲームの正式名称・対象コーンソール・発売日が表示されます(ツールチップ機能)。
その他
あくまで当ブログが、一般に公開されている情報を集めて「出荷本数データ」として集計しているにすぎません。日本国内で販売され、流通したすべてのゲームタイトルを網羅しているわけではない点につき、ご了承ください。
各タイトルごとの月間の売上本数も、そのすべてを第三者が正確に把握することは不可能なので、当ブログが考える「ゲームソフトの売れ行きに関する一定の基準」で調整しているデータが含まれます。
なので、もし上記の「(4)情報源」以外に一般的に閲覧できる良い時系列データがあれば、ぜひコメントなどで教えてほしいです。
以上