セガサターン、プレイステーション、NINTENDO64タイトルの国内出荷本数Top5についてバーチャートレースを作成しました。
本格的な3Dゲーム時代の到来、ソニーのゲーム業界参戦に伴う地殻変動、その裏で進むゲーム離れ現象など混沌の世紀末でした。
1 うごくグラフ(1分15秒)
【SS/PS/N64】国内上位5タイトルの出荷本数推移(バーチャートレース形式)
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セガサターンが発売されたのが1994年11月22日、初代プレステが発売されたのが1994年12月3日、そして少し遅れてNINTENDO64が発売されたのが1996年6月23日。
この90年代半ば辺りが家庭用ゲームの1つの転換点だった見ることは、あながち間違いではないでしょう。
いわゆる「32ビット機」の登場による本格的な3Dゲーム時代の幕開け。
日本が誇る電気機器業界の巨人・ソニーのゲーム機戦争への参戦。
セガとの争いでは揺るぎなく見えた任天堂の優勢が、徐々にプレステの勢いに飲まれ、(据置機では)劣勢に転じていく地殻変動のような様子。
一方で、おそらくこの頃から始まっていたであろう一般ユーザーのゲーム離れ現象。
ゲーム業界で問題意識が明確になるのは2000年代初頭ではないかと思いますが、ゲーム販売本数の減少などはバーチャートレースからも感じ取れるでしょう。
私もこの頃だんだんゲームで遊ばなくなり、2000年以降の約10年間は司法試験受験生だったので、結局15年くらいはゲームから離れていました。
なので、私がこうやって各年代のバーチャートレースを作っているのは、自分がゲームから離れていた期間のゲーム業界の状況を学びなおしたいというのがあります。
と前置きが長くなりましたが、いよいよ【セガサターン、プレイステーション、NINTENDO64】による国内三つ巴戦。
スーファミ後期の名作たちがゲーム業界をにぎわせている裏で、”次世代機” 同士による熾烈な争いが静かに始まっています。
「アークザラッド」(PS、1995年6月)
「バーチャファイター2」(SS、1995年12月)
「バイオハザード」(PS、1996年3月)
「鉄拳2」(PS、1996年3月)
とそれぞれ着実にミリオン越えを果たし、”次世代機” で出遅れている任天堂の機先を制します。
それでもやはり強いのは「スーパーマリオ64」(N64、1996年6月)。
まあ「3Dゲームってのはこうやって作るんだ」と世界中にお手本を示したようなゲームですからね。
さすが任天堂、さすが宮本茂、 といったところでしょうか。
しかし、さらにその上を行ったのが「ファイナルファンタジー VII」(PS、1997年1月)。
「ファイナルファンタジー」シリーズが 日本だけでなく、ゲーマーなら世界で誰もが知るメジャータイトル の1つになった瞬間だと思いますし、FF7がプレステの販売をけん引した みたいな話もよく聞きますね。
この辺はいずれデータで検証してみたい。
そして、このFF7以降、「N64」タイトルは次第に姿を消し、ランキングは「プレステ」タイトル一色の様相を呈します。
「みんなのGOLF」(1997年7月)や「グランツーリスモ」(PS、1997年12月)で遊んだことがある人も多いでしょう。
その後も「ファイナルファンタジー VIII」(1999年2月)、「ファイナルファンタジー IX」(2000年7月)、「ドラゴンクエスト VII」(2000年8月)と国内最強クラスの「FF」「ドラクエ」シリーズが続き、プレステの優勢は確固たるものとなります。
そんな中、N64タイトルで気を吐いたのが「ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ」(1999年1月)。
現在まで続く大人気シリーズ「スマブラ」の始祖がN64で誕生します。
その後、プレステは「バイハザード2」(1998年1月)、「みんなのGOLF2」(1999年7月)、「バイオハザード3」(1999年9月)、「ダービースタリオン99」(1999年9月)、「グランツーリスモ2」(1999年12月)とヒット作の続編が一巡し、プレステ2への世代交代へと進みます。
N64は「マリオテニス64」(2000年7月)と「ポケモンスタジアム 金銀」(2000年12月)がミリオン越えを果たしてランクインしますが、いずれも100万本を超えるのがやっとという感じで、劣勢を跳ね返すまでには至らず といったところでしょう。
こんな流れで日本のゲーム業界の90年代は終わり、次の21世紀を迎えます。
2 注記
(1)グラフ形式
バーチャートレース(Bar Chart Race、BCR)
(2)期間
1995年6月から2003年6月まで
(3)略称一覧
アーク:アークザラッド
バーチャF2:バーチャファイター2
バイオH:バイオハザード
スーマリ64:スーパーマリオ64
FF7:ファイナルファンタジー VII
マリカ64:マリオカート64
みんGOLF:みんなのGOLF
ダビスタ:ダービースタリオン
GT:グランツーリスモ
FF8:ファイナルファンタジー VIII
バイオH2:バイオハザード2
スマブラ:ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ
クラッシュB3:クラッシュ・バンディクー3 ブッとび! 世界一周
FF9:ファイナルファンタジー IX
DQ7:ドラゴンクエスト VII
GT2:グランツーリスモ2
みんGOLF2:みんなのGOLF2
バイオH3:バイオハザード3 ラストエスケープ
ダビスタ99:ダービースタリオン99
ポケスタ金銀:ポケモンスタジアム 金銀
DQ4:ドラゴンクエストIV 導かれし者たち
マリオテ64:マリオテニス64
(4)情報源
- 決算資料(IRライブラリー)
- 主要タイトル販売実績
- 決算資料(IRライブラリー)
- 決算資料(IR資料室)
- ミリオンセールスタイトル
- 2021 CESAゲーム白書
- 2023 CESAゲーム白書
(なお、「CESAゲーム白書」は完全リニューアルされ、2024年度から「CESAゲーム産業レポート」として刊行予定)
(5)その他
あくまで当ブログ主が、一般に公開されている情報を集めて「出荷本数データ」として集計しているにすぎません。
日本国内で販売され、流通したすべてのゲームタイトルを網羅しているわけではない点につき、ご了承ください。
なので、もし上記の「(4)情報源」以外に一般的に閲覧できる良い時系列データがあれば、ぜひコメントなどで教えてほしいです。
また、各タイトルごとの月間の売上本数も、そのすべてを第三者が正確に把握することは不可能なので、当ブログ主が考える「ゲームソフトの売れ行きに関する一定の基準」で調整しているデータが多数含まれます。
あくまで「売上レースっぽい雰囲気を楽しむもの」とご理解いただければと思います。
以上、ご参考になれば幸いです。