私は2021年6月に日本へ帰任したので、それ以降の情報のアップデートはできなくなりました。
しかし、読者の方から頂いたコメントやメールなどでもUCSSが有効と聞いておりますので、ほぼ当時の内容のまま掲載しています。
私は技術的にはド素人で、遊んでるオンラインゲームもFF14だけですが、中国に来てからの4年3か月の間、色々悪戦苦闘しつつも、ようやくFF14を「まともに」(=ラグや回線落ちをそれほど気にせずに)遊べるようになったので他のオンラインゲームでもイケるんじゃないかなあと思っています。
テーマはニッチですが、似た環境の人の役に立てると嬉しいです。
1 結論(2021年6月時点)
私は以下の3つの対策で、FF14を快適に遊べるようになりました。
- 接続方式はShadowsocksを利用。私はUCSSというサービスプロバイダーと契約しています。
- プロトコル方式はUDP (User Datagram Protocol)。
- 低Ping化ツール
以下、順に解説します。
(1)接続方法
Shadowsocks(≠VPNと理解)という方式です。
サービスプロバイダー(業者)はUCSS。
以下、リンク先のページは英語になっている場合もありますが、ページ右上の「LANGUAGE」から日本語表示にすることが可能です。
- 私は当時UCSSが提供していたShadowsocksR for Windows(ソフトウェア)を使っていましたが、現在提供されているソフトウェアはUCSS for Windowsのみのようです。
- サービスプランはUCSS Low Pingプランを利用していました(3か月で118US$、データ転送上限1か月50G)。
- その他に通常プラン(3か月で36US$など)、日本を含むグローバル Low Ping プランなどもあります。
目的は中国のグレートファイアーウォール(金盾)回避のためと理解しています。
(2)プロトコル方式
2021年12月時点で確認したところ、下記のProxifierに関する説明はリンク先の該当ページからは削除されたようです。
ページ下部の注意事項として「サードパーティのソフトウェアで問題が生じた場合はアプリの開発者へご連絡下さい。UCSSはサードパーティアプリに関しての問題は解決出来ません。」との記載があるので、UCSSがユーザーサポートに責任を持てない以上、削除したのかもしれません。
現在は、「Windowsの設定ガイド」等のページで紹介されている “UCSS for Windows” を利用すれば良いのではと思います。
UDP (User Datagram Protocol)にすることで、フリーズや回線落ちが大幅に改善したと実感しています。
私が使用していたのはProxifierというソフトウェアでした。
当時のUCSS「Windowsの設定ガイド」ページでは、
ProxifierはShadowsocksR for Windowsの機能を拡張するソフトウェアです。ShadowsocksR for Windowsと併用して下さい。
Windowsからの設定方法 – ShadowsocksR for Windows | UCSS (undercurrentss.net)
と記載されていたので、UCSS(ShadowsocksR for Windows)と併用していました。
おそらく通常はTCP (Transmission Control Protocol)方式になっていると思います。
私自身は通信方式の専門家ではないため、「なぜUDP方式だと上手く行くのか?」という理屈を正確に把握しているとは言えません。
しかし、一般的な中国のISP(インターネット業者)を使っていて、PC・ネット環境に関して特殊なことはしていない自分が、ShadowsocksR for WindowsとProxifierをインストールしたら上手く動いてくれているので、多くのケースで当てはまるんじゃないかと考えています。
UDP方式を使用する目的は、パケット通信の遅延・ロスによるフリーズや回線落ちを回避するためと理解しています。
(3)低ping化ツール
Battlepingを使っていました(180日で27.95US$、2021年6月1日時点)。
Battlepingについては、ShadowsocksではなくVPNを使っていたときはイマイチ効果を実感できなかったんですよね。
ただ、上記のUCSSとProxifierを使い始めてから、特にゴールデンタイム(中国時間18:00-23:00)で改善効果を実感できました。
Battlepingを使う目的は、低ping化によるラグの改善のためと理解しています。
2 詳細
(1)UCSS Low Pingプラン
自宅からSPEEDTESTで計測(2021/6/1 中国時間19:00時点)。
私がゲーム以外で併用しているVPNサービスではPing値:70ms~90ms、ダウンロードスピード:1Mbpsあるかどうかという程度でした。
(ゴールデンタイムはもっと悪い場合も多い)
なので、ゴールデンタイムに中国から日本に繋いでPing値:38ms、ダウンロードスピード:95.43Mbpsというのは、圧倒的に体感スピードが違います。
現時点ではVPNよりShadowsocksの方が明確に上という印象です。
最初は通常プランを試しに使ったところ、YouTubeやNetflixなども問題なく視聴できました。
というか、日本にいたときと同じスピード感覚でネットが使えるのでめちゃくちゃ感動した記憶です。
そこで「こりゃスゲー」となって、喜び勇んでゲーマー向けの Low Pingプランを追加購入。
だが、しかし、、、
ゲーム画面のフリーズや回線落ちの症状は思ったほど改善されず、「YouTubeやNetflixなどの動画をこれだけストレスなく視聴できるのに、なぜフリーズや回線落ちが改善しないんだ?」という壁にぶつかりました。
2週間くらいだったかなあ。
いろいろ調べるもピンとくる情報がなく、それでも「憧れのストレスフリーなゲーム環境までもう少しな気がする」と希望を捨てずにいたところ、ふとUCSSサイトの「Windowsからの設定方法」ページの下の方まで読み進めて行ったら、「Proxifierの設定方法」というパートで「ProxifierはUDPでの接続や~」という記載があることに気付きました。
んで、「UDPって何よ?」ということで調べて、素人なりに理解した内容が次の(2)です。
(2)TCP とUDP
本来、TCPとUDPは通信データのやり取りの方式・特性を示すもので、どちらかが優れているというものではなく目的に応じて使い分けるべきものです。
【メリット】通信データの時系列の整合確認や受信確認(パケット到達確認)を行うので、通信の信頼性が高い。
【デメリット】上記の確認の手間があるので、データ転送スピードは落ちる。
【用途】メール送受信、ファイル共有など
【メリット】TCPのような通信データの確認手番がないので、データ転送スピードが速い。
【デメリット】通信データの時系列がおかしくなる、パケットロスによるデータ欠落などがあるため、通信の信頼性が低い。
【用途】通話、動画ストリーミングなど
・・・いや、ホントに上記のメリット・デメリットを認識できたのが突破口でした。
過去に”pathping“コマンドで、新宿にあるスクエニのFF14サーバー(と思われるIPアドレス)までの通信経路、ping値、パケットロス値を調べたことが何回かあって(初期はこれくらいしかやれることが見つからなかった・・・)、特に「パケットロス値が大きくなる(10%~30%くらい)ことが結構あるなあ」という認識だったんですよね。
そうすると「もしかしてUDP方式にしたら、時系列確認やパケットロスをある程度無視することになって、フリーズや回線落ちが改善されるのでは?」と思い、Proxifierを即導入。
上記仮説が合っているかどうかを判断する知識は自分にはありませんが、少なくともProxifierの導入後はフリーズや回線落ちの症状が激減し、3年半熱望していた「FF14がまともに遊べる環境」になりました。
(3)Battleping
画面はこんな感じです。
Ping値33msなら上等な方です。少なくとも中国からFF14を遊ぶのにあまりストレスを感じないレベルだと思います。
(ただし、高難易度コンテンツの早期攻略やタイムアタックで遊ぶのは難しいかもしれません)
Ping値80~90msになってくるとツライ感じですが、ゴールデンタイムでも一回モデムを再起動して再接続すると、7つのJapan Serverのうち、どれか1つくらいはまともに遊べるPing値になっていることが多いです。
Battlepingについては、VPNを使っていたときは改善効果を体感できなかったのですが、Shadowsocks(UCSS)と一緒に使うと、ゴールデンタイムでのフリーズや回線落ちがほぼゼロになった印象です。
Shadowsocksと相性が良い技術ということなのか、たまたま私の個人的な環境(いわゆる「おま環」)とマッチしたということなのかは正直判断がついていません。
しかし、無料トライアル期間があり、費用を気にせずお試しができるのでおススメします。
3 最後に
中国に渡航してから、ゲームを遊ぶ時間の確保以外の「ネット環境」の面で3年半苦労してきました。
「絶望」というのは言いすぎかもしれませんが、好きなゲームを思うように遊べず泣きたい/辛いという気持ちは痛いほどわかるつもりです。
そのため、私と似た環境にある人(中国だけでなく、海外から日本のサーバーに繋いでオンラインゲームを遊びたいのに遅延やラグに泣かされている人)の役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【参考】FF14・DCごとのIPアドレス
FFXIV回線遅延やパケットロスの確認と情報提供について(2022年4月22日付トピックス)
たまたまですが、2022年4月頃、日本国内での回線遅延等の調査のため、FF14運営から遅延やパケットロスの確認・調査の方法やDCごとのIPアドレスの提供がありましたので、参考として記載しておきます。
以上
UCSS公式のダウンロード欄にある
ShadowsocksR for Windows
SSTap
UCSS for Windows
どれも普通にプレイできますよ~
公式には書かれていませんが、2020年12月にUCSSに提出したサポートチケットの回答によるとSSTapが一番安定します、とのことでした。
ただボタンを押すのすら面倒なほど不精なので日頃のYoutubeはShadowsocksR for Windows、FF14はSSTapを利用してます。
零式なら200ms未満、
フィーストなら100ms未満だと普通にプレイできますね
>みのぺんさん
現在(2022年1月)も中国にお住まいなんでしょうかね?
コメントと貴重な現地情報ありがとうございます!
私が住んでいた上海市内ではゴールデンタイムに地域一帯に通信制限?がかかるようでした。
当時の部下のローカルスタッフがそのようなことを言っていました。単純に人口が多いためのようです。
ただ、深夜・早朝などの明らかに利用者が少ない時間帯はShadowsocks方式の接続だけでも無理なく遊べた記憶です。
なので、住んでいる地域の接続環境による影響も大きそうだなとは思っていました。
やはり今悩んでいる方も諦めない方が良いですよね。
ガッツさん、みのぺんさん
初めまして、ガイと申します。
先月より中国生活を始め、UCSSを契約したものの鯖落ちに悩まされ本ページにたどり着きました。
現状UCSSの公式ぺージではShadowsocksR for Windowsおよびsstapの設定方法が公開されておらず、いずれも導入に困っている状況です。
(ShadowsocksR for WindowsはそもそもUCSSダウンロードページからダウンロードしたexeファイルを起動しても立ち上がらない、ssTAPは私の知識が浅くシンプルに設定方法が分からない)
もし可能でしたらUCSS契約下におけるssTAPの設定方法をご教示いただくことは可能でしょうか・・・?
サポートに連絡しても回答がなく、不躾で恐縮ですがご助力をいただけますと幸いです。
尚、Windows 10 Home ver 21H1です。
>ガイさん
コメントありがとうございます。
ご質問を受けて久々にUCSSのマイアカウントページにログインしたのですが、確かにShadowsocksR for Windowsの設定方法なども削除されていますね。。。
推論でしかないので恐縮ですが、おそらく”ShadowsocksR for Windows”も”sstap”もUCSSではなく第三者のソフトウェアのため、どこかのタイミングで記載を削除したのではないかと思います。
◆”ShadowsocksR for Windows”の設定方法については、他人様のサイトで申し訳ありませんが、下記のページに記載されている内容が私の記憶と合致します。
https://thebest-vpn.net/ucss-setup-windows/
◆”sstap”については、私も使用したことがないため、残念ながら私では設定方法などはわかりません。
なお、UCSSのアカウントページの過去の「お知らせ」やTwitter(https://twitter.com/ucss_jp)なども見たところ、”UCSS for Windows”のアップデートは継続的に行われているようですし、現在はこちらが公式のソフトウェアの扱いのようなので、個人的には”UCSS for Windows”の導入をご検討された方が良いように感じました。
あまりお力になれず申し訳ありません。