ゼルダシリーズ早見表


私自身「いつかゼルダシリーズを制覇したい」と思い、2021年に中古の「New 3DS」と「WiiU」を購入し、それ以降マイペースでゼルダシリーズのソフトを収集しています。

とはいえ、一口にゼルダシリーズと言っても「正確にはどれくらい作品数があるのか?」「それらのうち、常識的な予算・方法で遊べるタイトルはどれか?」「ゼルダシリーズを遊ぶために、『今』何から手を着けるべきか?」といった辺りを整理してこなかったのも事実。
そこで、まずは「ゼルダシリーズ」の現状把握をしたいと思います。

G&W:GAME & WATCH
FC:ファミリーコンピュータ
FCD:ファミリーコンピュータ ディスクシステム
GB:ゲームボーイ
SFC:スーパーファミコン
N64:NINTENDO64
GBC:ゲームボーイカラー
GBA:ゲームボーイアドバンス
GC:ニンテンドーゲームキューブ
DS:ニンテンドーDS
3DS:ニンテンドー3DS
VC:バーチャルコンソール
NS:Nintendo Switch
NSO:Nintendo Switch Online
ミニFC:ニンテンドークラシックミニ・ファミリーコンピュータ
ミニSFC:ニンテンドークラシックミニ・スーパーファミコン

1 主要タイトル一覧

はたして「ゼルダシリーズの主要タイトルとは?」というテーマだけでも盛大な議論になりそうですが、とりあえずここで言う「主要タイトル」とは以下の計20タイトルとします。

  • 「HYRULE ENCYCLOPEDIA ゼルダの伝説 ハイラル百科」(NintendoDREAM編集部(2017)、徳間書店。以下「ハイラル百科」。)の「伝承と歴史」(6頁)において「時系図」を構成している17タイトル
  • ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド
  • ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム
  • ゼルダの伝説 知恵のかりもの
No.タイトル名移植・復刻
ゼルダの伝説 ※the First Zelda
1986.2.21/FCD)
FC (’94)
・GC (’01) ※1
GBA (’04)
・GC (’04) ※2
・Wii VC (’06)
・3DS (’11) ※3
3DS VC (’11)
・WiiU VC (’13)
・ミニFC (’16)
・NSO (’18)
・G&W (’21)
リンクの冒険 / The Adventure of Link
(1987.1.14/FCD)
・GC (’04) ※2
・GBA (’04)
・3DS (’11) ※3
・3DS VC (’12)
・WiiU VC (’13)
・ミニFC (’16)
・NSO (’19)
・G&W (’21)
ゼルダの伝説 神々のトライフォース / A Link to the Past
(1991.11.21/SFC)
・GBA (’03)
・Wii VC (’06)
・WiiU VC (’14)
・3DS VC (’16)
・ミニSFC (’17)
・NSO (’19)
ゼルダの伝説 夢をみる島 / Link’s Awakening
(1993.6.6/GB)
GB/GBC (’98) ※4
3DS VC (’11) ※4
・NS (’19) ※5
・G&W (’21)
・NSO (’23) ※4
ゼルダの伝説 時のオカリナ / Ocarina of Time
(1998.11.21/N64)
・GC (’02) ※6
・GC (’04) ※2
・Wii VC (’07)
・3DS (’11) ※7
・WiiU VC (’15)
・NSO (’21)
ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 / Majora’s Mask
(2000.4.27/N64)
・GC (’04) ※2
・Wii VC (’09)
・3DS (’15) ※8
・WiiU VC (’16)
・NSO (’22)
ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章・時空の章 / Oracle of Ages/Seasons
(2001.2.27/GBC)
・3DS VC (’13)
・NSO (’23)
ゼルダの伝説 風のタクト / The Wind Waker
(2002.12.13/GC)
・WiiU (’13) ※9
ゼルダの伝説 神々のトライフォース&4つの剣 / A Link to the Past & Four Swords ※10
(2003.3.14GBA)
・DS/3DS (’11) ※11
・NSO (’24)
10ゼルダの伝説 4つの剣+ / Four Swords Adventures
(2004.3.18/GC)
なし
11ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし / The Minish Cap
(2004.11.4/GBA)
・3DS VC (’11)
・WiiU VC (’14)
・NSO (’23)
12ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス / Twilight Princess ※12
(2006.12.2GC, Wii)
・WiiU (’16) ※13
13ゼルダの伝説 夢幻の砂時計 / Phantom Hourglass
(2007.6.23/DS)
・WiiU VC (’16)
14ゼルダの伝説 大地の汽笛 / Spirit Tracks
(2009.12.23/DS)
・WiiU VC (’16)
15ゼルダの伝説 スカイウォードソード / Skyward Sword
(2011.11.23/Wii)
・NS (’21) ※14
16ゼルダの伝説 神々のトライフォース2 / A Link Between Worlds
(2013.12.26/3DS)
なし
17ゼルダの伝説 トライフォース3銃士 / Tri Force Heroes
(2015.10.22/3DS)
なし
18ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド / Breath of the Wild
(2017.3.3/WiiU, NS)
なし
19ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム / Tears of the Kingdom
(2023.5.12/NS)
なし
20ゼルダの伝説 知恵のかりもの / Echoes of Wisdom
(2024.9.26/NS)
なし
  • ※1
    「どうぶつの森+」内の家具「ファミコン」の1つとして実装。
    (「ハイラル百科」311頁の「そのほかの出演タイトル」の1つとして掲載)
    本来なら、ファミコン家具は「あいことば」システム(特定のゲーム内イベントや期間に連動して「あいことば」がユーザーに提供されることで家具などを入手できる)による「サプライズ」や「隠し要素」としての運用が想定されていたと思われる。
    しかし、一部ユーザーが「あいことば」を生成するツールを作成し、それを一般に頒布したことにより「あいことば」の提供は途中で取りやめになった模様。
    そのため、現在、ファミコン家具「ゼルダの伝説」を公式に入手する方法は存在しない。
  • ※2
    クラブニンテンドーの景品として配布された「ゼルダコレクション」に収録。
    (一般販売なし)
  • ※3
    3DS早期購入者向けのアンバサダー・プログラムの一環として配布。
  • ※4
    「夢をみる島DX」
    GB版をカラー化し、新たな要素を加えたGBC対応のリメイク版。
  • ※5
    フルリメイクされたNS版「夢をみる島」
  • ※6
    「時のオカリナGC」(非売品)
    N64版の移植とその高難度版「ゼルダの伝説 時のオカリナ 裏」が収録。
  • ※7
    「時のオカリナ3D」
    N64版原作に新規要素を加えた3DS対応のリメイク版。
  • ※8
    「ムジュラの仮面3D」
    N64版原作に新規要素を加えた3DS対応のリメイク版。
  • ※9
    「風のタクトHD」
    グラフィックをHD(High Definition video)化し、ゲーム内容もチューニングしたWiiU専用ソフト。
  • ※10
    「ゼルダの伝説 神々のトライフォース&4つの剣」は、シングルプレイ用の「神トラのリメイク版」とマルチプレイ(2~4人)用の「4つの剣」を1つのソフト収録したもの。
    「4つの剣」は1人では遊べない。
  • ※11
    「ゼルダの伝説 4つの剣 25周年記念エディション」
    2011年9月28日から2012年2月20日までの期間限定で無料配信されたニンテンドーDSiウェア。
  • ※12
    GC版は任天堂HPのみでの販売(現在、GC版は価格が高騰気味)。
    以下、任天堂HP(https://www.nintendo.co.jp/ngc/gz2j/)からの引用で、「Wii版とゲームキューブ版では建物や仕掛けなどの構造物やマップ、キャラクターなどが左右反転した状態で描かれます。例えば、Wii版では主人公であるリンクが右手で剣を持つのに対して、ゲームキューブ版では左手で剣を構えます。」とのこと。
    「リンクは左利き」という初代ゼルダからの設定に沿ったGC版が希少価値を持つことになったと推察。
    (Wii版はWiiリモコンで操作するため、多数派の右利きに合わせたと思われる)
  • ※13
    「トワイライトプリンセスHD」
    グラフィックをHD化したWiiU用ソフト。
  • ※14
    「スカイウォードソードHD」
    グラフィックをHD化したNS用ソフト。

2 派生タイトル一覧

この「派生タイトル」についても、「『関連タイトル』(作中に何かしらゼルダ要素が登場するなど)や『クロスオーバータイトル』(正式なコラボコンテンツなど)と何が違うのか?」と真剣に考え始めるとわけがわからなくなります。

とりあず、ここでの「派生タイトル」とは、ゼルダの世界観なり登場人物がメインの作品で『ハイラル百科の時系図』を構成していない作品、またはその他(非売品などの特殊ケースなど)というくらいにしておきます。

まあ、「ゼルダ分類学」を追究したいわけではないので、あくまで目安程度です。

No.タイトル名移植・復刻状況
GAME & WATCH ZELDA
(1989.8G&W)
・GBA (’02) ※1
WiiU VC (’16) ※2
LINK: THE FACES OF EVIL ※3
(1993.10.10/CD-i)
不明
ZELDA: THE WAND OF GAMELON ※3
(1993.10.10/CD-i)
不明
ZELDA’S ADVENTURE ※3
(1994.6.5/CD-i)
不明
BSゼルダの伝説 ※4
(1995.8/サテラビュー)
なし
BSゼルダの伝説 古代の石板 ※4
(1997.4/サテラビュー)
なし
ゼルダコレクション ※5
(2004.3.18/GC)
なし
もぎたてチンクルのばら色ルッピーランド ※6
(2006.9.2/DS)
なし
チンクルのバルーンファイトDS ※7
(2007.4.12/DS)
なし
10リンクのボウガントレーニング ※8
(2008.5.1/Wii)
なし
11できすぎチンクルパック
(2009.6.24/DS)
なし
12いろづきチンクルの恋のバルーントリップ ※6
(2009.8.6/DS)
なし
13ゼルダ無双
(2014.8.14/WiiU)
なし
14ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ
(2016.1.21/3DS)
なし
15マイニンテンドーピクロス ゼルダの伝説トワイライトプリンセス ※9
(2016.3.17/3DS)
なし
16ゼルダ無双 ハイラルオールスターズDX
(2018.3.22/NS)
なし
17ケイデンス・オブ・ハイラル:クリプト・オブ・ネクロダンサー feat. ゼルダの伝説
(2019.6.14/NS)
なし
18ゼルダ無双 厄災の黙示録
(2020.11.20/NS)
なし
19バーミン(VERMIN)※10
(2021.11.12/G&W)
なし
  • ※1
    「GAME&WATCH GALLERY4」(2002年にアメリカで発売)、または「GAME&WATCH GALLERY ADVANCE」(2002年に欧と豪で発売)の隠し要素としてGBA版「ZELDA」を遊べる。
    なお、日本でも同じ内容のソフトを「ゲームボーイギャラリー4」として発売する予定はあったが、この当時は発売中止となった。
  • ※2
    2002年時点では日本で発売が中止となった「ゲームボーイギャラリー4」が2016年にWiiU VC専用ソフトとして配信開始(2023年3月で配信終了)されたもので、その中の隠しゲームの1つとして「ZELDA」を遊べる。
    ただし、解放にはそれなりのやり込みが必要。
  • ※3
    日本未発売。
    オランダのPhilips社が任天堂の許諾を得て製作したとされるCD-i(「コンパクトディスクインタラクティブ」=ハードの規格名)向けのソフト。
  • ※4
    サテラビュー(Satellaview)はSFC専用周辺機器で、1995年から2000年まで実施されたSFC向け衛星データ放送サービスを受信するためのモデム。
  • ※5
    当時のクラブニンテンドーの景品として配布されたソフトで、それまでに発売された過去のゼルダシリーズ4作品と「風のタクト」体験版などを収録しもの。

    一般販売なし。
  • ※6
    ダウンロード販売なし。
  • ※7
    クラブニンテンドープラチナ会員特典として配布されたニンテンドーDS用ソフト。
    一般販売なし。
  • ※8
    Wiiリモコン・Wiiセンサーバー・Wiiザッパーといった周辺機器が必要。
  • ※9
    任天堂の会員サービス「マイニンテンドー」のギフト(景品)。
  • ※10
    シリーズ35周年に当たる2021年に発売されたGAME & WATCHで、「初代」・「リンクの冒険」・「夢をみる島」の3作品(この3つは日本版と海外版の双方収録)とともに収録されている。
    約32年ぶりの「ゼルダ」のGAME &WATCH。

3 優先順位の検討

さて全体像の現状把握をしたところで、次に「今」確保に動くべきタイトルは何か?という観点で優先順位を検討したいと思います。

なお、「すでに所有しているタイトル」は個人個人で当然違うと思うので、「ゼルダシリーズをまだ1つも持っていないとしたら」という仮定での検討になります。

(1)主要タイトル

何はともあれ、まずは主要タイトルを押さえるべきでしょう。

第1位

4つの剣+(GC)(以下「4剣+」)

現時点で「4剣+」の移植・復刻版はないので、今「4剣+」を遊ぶためには「GC実機」と「4剣+パッケージ現物」を確保するしかありません。

任天堂には移植やリメイクを期待したいところですが、「GC」は2001年発売、「4剣+」は2004年発売なので、いずれも発売から約20年が経過しています。

まだ何とかGC関連の中古品市場も成立しているようで、「GC実機」も「『4剣+』の現物」も入手可能と思われますが、時間の経過とともに入手難易度が上がって行くのは間違いありません。

したがって、動くならまさに「今でしょ」というわけです。

第2位

以下の6タイトルは、「コンソール実機(3DSとWiiU)」かつ「ソフト現物(移植・リメイク版含む)」以外で遊ぶことがほぼ不可能ですが、コンソール実機もソフト現物も比較的新しく、相対的に入手難易度は下がるため2位と考えています。

  • 風のタクト
  • トワイライトプリンセス
  • 夢幻の砂時計
  • 大地の汽笛
  • 神々のトライフォース2
  • トライフォース3銃士
第3位

以下の13タイトルは、現役ハードである「Nintendo Switch」を入手し、かつ「Nintendo Switch Online(+追加パック)」というサブスクリプションサービスに加入すればオリジナル版なり移植版・リメイク版なりを遊べます。

  • ゼルダの伝説
  • リンクの冒険
  • 神々のトライフォース
  • 夢をみる島(DX/NSフルリメイク版)
  • 時のオカリナ
  • ムジュラの仮面
  • ふしぎの木の実 大地の章・時空の章
  • 神々のトライフォース&4つの剣
  • ふしぎのぼうし
  • スカイウォードソード
  • ブレス オブ ザ ワイルド
  • ティアーズ オブ ザ キングダム
  • 知恵のかりもの

2024年6月19日から 神々のトライフォース&4つの剣(無印4剣) が「Nintendo Switch Online+追加パック」で配信開始となりました。

無印4剣は2~4人プレイ専用のため、ローカル通信かオンラインモードが必須と思われます。
そのため、Nintendo Switchを2台以上用意し、かつそのすべてが「Nintendo Switch Online+追加パック」に加入していることが必要です。

なので、ぼっちには相変わらずハードルが高いかもしれません。

ちなみに、ぼっちの私は、かつては以下のように遊んでいました。

かつて無印4剣を遊ぶために必要だったこと(供養のため掲載)

神々のトライフォース&4つの剣(以下「無印4剣」)

そもそも1人では遊べない「無印4剣」を遊ぶためには、ハードもソフトも2つ以上そろえ、かつ、ハード相互の通信接続も構築する必要があり、ゼルダシリーズの中では一番ハードルが高くなっていました。

加えて、「無印4剣」の移植・復刻版は、2024年6月18日のNSO版配信前までは、2011年9月28日から2012年2月20日までの期間限定でニンテンドーDSiウェア(ダウンロード専用ソフト)として配信された「ゼルダの伝説 4つの剣 25周年記念エディション」しかないうえ、移植・復刻版の「カートリッジ」や「パッケージ」という現物が存在しません

そうすると、約20年前のゲーム機であるGBA2台以上と、同じく20年前の『無印4剣』パッケージ現物2つ以上を揃えなきゃならんのか?とうことになり、なかなか悩ましい状況でした。

ということで、私が過去に検討・採用した手段は以下の通りでした。

  • まず、「ゼルダの伝説 4つの剣 25周年記念エディション」をダウンロード済みのDS/3DS実機を入手する という手段が考えられます。
    しかし、そのような特殊な実機の入手は難易度が上がるのと、仮に入手できても「自分のアカウント(ID)で管理できない他人のDS/3DS」の状態を維持することになるので、管理が難しいというか、好ましい状態だとは思えません。
    例えば、自分が管理できない「他人のID」が何らかの理由で失効したら遊べなくなるなど、「他人のモノ」を保管しているのと大して変わらないと思います。
  • そこで、「何とかうまい手はないものか?」と色々調べた結果、私は「GC実機+ゲームボーイプレーヤー※1台」+「ゲームボーイアドバンス1台(リンクケーブル含む)」+「『無印4剣』パッケージ現物2つ」を用意することにしました。
    ゲームボーイプレーヤー:2003年3月21日発売。GC専用周辺機器の1つで、GCに取り付けることにより、GBA専用ソフト、GB、GBCカラー対応/専用ソフトをテレビ画面等に出力して楽しむことができる機器。
    今回調べるまで「ゲームボーイプレーヤー」がGCの周辺機器として存在していることを知りませんでした。
    しかし、GC自体は、下記の「4剣+」だけでなく、「ゼルダコレクション」や「時のオカリナGC」といった珍しいソフトを遊ぶために必要な意外と重要なハードになります。
    さらに、GCに「ゲームボーイプレーヤー」を取り付けることでGB/GBAソフトをテレビやモニターに映して遊べるようになることも考えると、ゲームボーイアドバンスを複数用意するよりも GC+ゲームボーイプレーヤー の方が遊べるゲームの選択の幅が広がると考えました。

(2)派生タイトル

派生タイトルになると、もう完全に好みの世界というか「ゼルダファンとしてのプライド・熱意・心をくすぐられるかどうか」だと思うので、優先順位をつける意味はあまりないかもしれません。

ただ、以下の3作品はソフト現物が存在しないため、「(2023年3月28日以降の)現時点では入手がほぼ不可能もしくは極めて困難」となっています。

オランダのPhilips社が任天堂の許諾を得て製作したとされる以下の3つのタイトルで、CD-i(コンパクトディスクインタラクティブ)という規格・ハード向けのソフト(日本未発売)です。
・LINK: THE FACES OF EVIL (1993)
・ZELDA: THE WAND OF GAMELON (1993)
・ZELDA’S ADVENTURE (1994)

私自身、今回調べてみて初めてその存在を知った程度で、詳しいことは不明と言わざるを得ません。
なにせ古すぎるのか、公式資料らしきものが全く見当たらないんですよね。
(任天堂HPでもPhilips社HPでも)

海外のサイトなどでは下記のストーリーが有力視されているようです。

  • 1990~1991年頃、当初、任天堂とソニーはスーファミ用外付けCD-ROMドライブ(いわゆる「幻のプレイステーション」)を開発していたが、任天堂が、ソニーとの契約に反して、ソニーのライバルであったPhilips社とスーファミ用CDデバイスの共同開発を進めることにした。
  • その後、任天堂とPhilips社との共同開発も中止となり、スーファミ用外付けCDデバイスの開発は最終的に失敗に終わったが、この共同開発中止の後処理(和解?)の結果として、任天堂がPhilips社に対し、任天堂の複数(5つ)のゲームキャラクターについて、Philips社が自身のコンソール機で使用するためのライセンスを供与した。

この話の前半は、日本国内でも「プレイステーション開発」にまつわるエピソードとして、主にソニー側のプレステ関係者から明かされているエピソードと一致しますし、それなりに信憑性があります。
【参考ページ】Nintendo, Philips Join In Games On CD (May 31, 1991 / The Seattle Times)

一方で、後半は「CD-iゼルダの開発者」とされる人物へのインタビュー内容をベースとするようです。
【参考ページ】An interview with the creator of the CD-i Zelda games (Mar 28, 2013 / zeldauniverse.net)

「任天堂がライセンスを認めつつも、『ゼルダシリーズ作品』として全く認めていない(無視している)かのような態度」を説明する話として「ありそうだな」とは思います。

しかし、その「開発者」が当時の両社の「経営判断」にどこまで関与していたのか不明なため、個人的には「真偽は不明」と言わざるを得ないと思います。
当時の真相がどうであれ、おそらく今なら「ゼルダのライセンス(!)」を任天堂がそう易々(やすやす)と認めるとも思えませんし、「CD-iゼルダ」は任天堂がまだ海外ビジネスに不慣れだったがゆえの「あだ花」なのかもしれません。

ゲーム内容については、ネット上ではどちらかというと「ネタ扱い」されている感じ(出来はイマイチ?)です。

ただ、「Philips社が任天堂から正式なライセンス供与(権利許諾)を受けて開発・販売」したのであれば、れっきとした「ゼルダシリーズ作品」ではありますし、ゲーム史の一部としての価値はあると思うので、事実関係を整理・明確にしたうえで、博物館などの第三者機関でもしっかり保存されると良いなと思います。

SFC専用周辺機器であるサテラビュー(Satellaview)を利用し、1995年から複数回にわたり、SFC向け衛星データ放送を通じて配信された音声連動ゲーム(決められた日時にラジオとゲームデータの放送を同時に行い、その放送時間内のみプレイすることが可能という時間制限つきのゲーム)のうち、「BSゼルダの伝説」と銘打って配信された作品群が、大きく分けて下記の2つあるようです。
(「ハイラル百科」307頁参照)

この「BSゼルダ」についても、私自身は今回調べてみて初めてその存在を知った程度です。

遊べるものなら遊んでみたいですが、「必要機器」の確保がほぼ不可能というだけでなく、「ラジオの放送時間内」という制限つきの配信形態も併せて考えると、任天堂が本気で再現しようとしない限り、およそ「同じゲーム」を遊ぶのは無理でしょう。

仮に、手段の適法性や妥当性を無視してネット上に出回っているROMデータで遊ぶ方法について考えてみても、どうやら現状で「BSゼルダ」として出回っているデータの多くは、エミュレータで遊べるように「誰かが改造したデータ」のようです。
(「不正ROM」かつ、そもそも「オリジナルのゲーム体験」に近いのかどうかも不明)

私自身に技術的知見はないので明確なことはわかりませんが、今のところ、ゼルダファンとして手を出す価値があるとは思えません。

4 まとめ

改めて整理・検討してみると、「ゼルダシリーズの主要タイトルって思った以上に移植や復刻されていたんだなあ」と感じました。

任天堂の「ゼルダ」に対する誇りやブランド維持への情熱を感じます。

主要タイトルの中にはまだ移植やリメイクされていない作品もありますが、任天堂にこれだけの熱意があるなら、一時的に遊べるコンソールが無くなることがあっても、何らかの形で移植や復刻をしてくれるんじゃないかという期待が持てます。

とはいえ、それは何も確約されたことではありませんし、時間的にも経済的にも手の届く範囲内で「遊べるうちに遊んでおく」(自分の経験・体験にしておく)というのも重要でしょう。

本記事がご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

以上

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