FF14 フェーズ詐欺「現象」との付き合い方

パッチ6.xシリーズのレイドコンテンツ「万魔殿パンデモニウム」の第2弾「煉獄編零式」で、いわゆるフェーズ詐欺「現象」に実際に遭遇し「これはFF14の高難易度コンテンツに挑戦する上で、予備知識や心構えとして知っておいた方が良いな」と感じたのでまとめておこうと思います。

はじめに

煉獄編零式4層でのフェーズ詐欺「現象」に関しては、ある「まとめサイト」で「パンデモ零式:煉獄編4層練習でフェーズ詐欺に合いすぎたプレイヤーさん、ブチギレ募集文を書いてしまう…」といった趣旨の記事が掲載されたり、実際に私も攻略が進まない日が10日以上あったりして、「ツラい、腹立たしい」という気持ちになった(かなりストレスを感じた)タイミングがありました。

一方で、「パーティー募集に明記された目的のフェーズを練習できない」という状況が頻発し、ある意味それが「常態化」しているようにも感じたので、「これはそもそも自分の『現状認識』がどこか不適切かもしれない。『詐欺奴許せん!』とイライラを募らせるより、事態を正しく(バイアスや偏りなく)認識し、メンタル管理も含めて『自分が採りうる合理的な自衛手段は何か?』を考えた方が建設的だろう。」と考えるようになりました。

ということで、FF14の高難易度コンテンツを遊ぶ際の心構えの1つとして、今回は「フェーズ詐欺『現象』の付き合い方」について考えてみたいと思います。

1 フェーズ詐欺とは?

正直、「フェーズ詐欺」の明確な定義はないと思いますが、おそらく FF14の高難易度コンテンツの攻略や練習に際して「主に野良のパーティー(以下「PT」)募集で、募集条件を満たさない練度のプレイヤーが参加すること」を指して「フェーズ詐欺」と呼ばれることが多い気がします。

FF14の高難易度コンテンツでは、複数のギミック(ボスの攻撃技)が「同時に」または「連続して」発動することが多く、プレイヤー側はそれら「一連のギミック」に応じて様々な役割分担(攻撃の誘導、フィールド上での散開など)をこなすことでワイプ(全滅)を免れつつボスのHPを削って行き、一定の時間内にボスHPをゼロまで削ればクリア、というのがお決まりのスタイルです。
この「一連のギミック」を「フェーズ」と呼ぶことがあり、「フェーズ詐欺」と言う場合の「フェーズ」はまさにこの意味です。

そして、例えば、あるコンテンツのボス撃破までに「フェーズA」「フェーズB」「フェーズC」の3つを乗り越える必要があるとして、「『フェーズC』の練習PTの募集」は、「『フェーズA』と『フェーズB』を問題なくクリアできる人同士でPTを組んで『フェーズC』の練習をしましょう」という目的であることは明白です。
しかし、実際には、なぜか「『フェーズB』どころか『フェーズA』すら超えられず、『フェーズC』の練習PTのはずなのに肝心の『フェーズC』を全く練習できない」という事態が多発するのです。

実際、私は煉獄1層から3層までは1週間に1層ずつクリアのペースで大体20日程度、その後1週間の休憩を挟んで4層に通い始めたのですが、4層でこのフェーズ詐欺「現象」に苦戦してクリアまでに23日間を要しました。
4層に通い始めた当初は「まあ10日くらいで行けるだろう」と考えていたものの、現実には倍以上の日数が掛かってしまい、「とにかくしんどかった。。。」というのが正直な感想です。

FF14では「零式」をクリアして貰える装備が「最新パッチの最強装備」になるので、強くなるために零式クリアを目指して頑張るわけです。
しかし、その頑張りに応じた「報酬」や「クリアに近づいている」という進捗・手応えがない状況が5日→1週間→10日と続くのは、やはりツラいものです。

そして、その「進捗・手応えがない状況」が「基本的に自分はミスなくこなしているのに、他の誰かのミスで目的のフェーズを練習できない(たどり着けない)」のが原因だとしたら、「勘弁してよ」と泣きたくなるのも頷けるのではと思います。

2 フェーズ詐欺「現象」の原因

では、なぜこのような「現象」が多発するのか?

(1)意図的なフェーズ詐欺は合理的か?

パッと思いつく仮説として「意図的なフェーズ詐欺が合理的な行動だから(そのため、多くの人がフェーズ詐欺を積極的に行っている)」というものが考えられます。
しかし、以下のように「意図的なフェーズ詐欺」は基本的に不合理な行動なので、「多くの人がフェーズ詐欺を積極的に行っている」というのはちょっと無理があります。

以下、「意図的なフェーズ詐欺」の目的ごとに考えてみます。

◆「意図的なフェーズ詐欺は得だ」と考える場合
こういう考えの人も世の中に一定数いるんだろうとは思いますが、これは「自分に都合が良すぎる解釈」で非現実的なんですよね。

ここで言う「得」というのは、上記の「フェーズA」「フェーズB」「フェーズC」の例で考えると、「自分が練習したいのは『フェーズB』。しかし、『フェーズBの練習PT』より『フェーズCの練習PT』の方が練度の高い人が集まるはずで、『フェーズA』で失敗する可能性も低いだろうから、『フェーズCの練習PT』に入った方が『フェーズB』を確実に練習できる!」ということかと思います。

しかし、これって「自分以外は愚かな正直者で、自分だけが賢い裏切り者」という状況(前提条件)じゃないと成立しませんよね。

そもそも「自分だけが一方的に『得』できる」と考えること自体が都合良すぎな気がしますし、現実も「『フェーズCの練習PT』なのに『フェーズA』を一度も超えることなく解散」(フェーズ詐欺しても『得』してない)みたいなケースはよく発生しています。

逆に、もし幸運にも「練度の高い人が集まった」として、「『フェーズ詐欺をしている自分』だけが『フェーズB』でミスして『フェーズC』に進めない」という状況が続くようであれば、途中でギブアップ投票が出されて練習が短時間で打ち切られるのがオチです。
加えて、「自分」のフェーズ詐欺があからさまであれば、(将来頼れる仲間になってくれたかもしれない)他のプレイヤーにブラックリスト登録されたり、「悪質な迷惑行為、嫌がらせ」として運営に通報されたりするかも知れません。

つまり、「意図的なフェーズ詐欺」を行っても狙い通りのフェーズを練習できるかどうかは不明なのにもかかわらず、
・「詐欺を行った『自分』の練度不足」を理由に練習を打ち切られても反論できない弱い立場に自ら成り下がる
・高難易度コンテンツを遊ぶプレイヤーのコミュニティから嫌われる(排除される)可能性がある
というデメリットやリスクは確実に存在するわけです。
蓋を開けてみれば「ただの愚かな裏切り者」になる可能性が高い)

なので、多くの人は「意図的なフェーズ詐欺は『得』だ」とは考えていないでしょう。

◆周りを信用できないからやる場合
このケースで典型的なのは、以下のような場面ではないかと思います。

「自分が練習したいのは『フェーズB』。しかし『フェーズBの練習PT』に参加しても『フェーズA』を超えられず、ちっとも『フェーズB』を練習できない。もう自分は『フェーズA』でミスることはほぼなくなったし、何とか『フェーズB』以降をしっかり練習できないか?」ということで、「フェーズC」に到達したことがないのに(or「フェーズB」を安定して超えられる練度ではないのに)「フェーズCの練習PT」に参加する、といった場面です。

このケースは場合分けが必要で、①もし「単純に『フェーズB』以降をしっかり練習したい」という目的だけで「フェーズCの練習PT」に参加する場合は、上述の「『意図的なフェーズ詐欺は得だ』と考える場合」と同じなので不合理な行動となります。
(「フェーズBの練習PTの参加者は信用できない」が、「フェーズCの練習PTの参加者なら信用できる」とする根拠がない)

一方で、②「もう『フェーズA』の練習量は十分でマスターした。『フェーズB』は確かに練習回数は少ないが、予習・復習・イメトレもしっかりやったし、カンペも準備した。自信がある。」という状況だと少し複雑になります。
なぜなら、「『フェーズB』に不安がある以上、『フェーズCの練習PT』に参加するのはフェーズ詐欺だ」という考えも一理ある一方で、「実際にやってみて『フェーズB』を安定して超えられるなら問題ないじゃん(フェーズ詐欺ではない)」とも言えそうだからです。

結局、②の場合は一種の「賭け」であって、「フェーズB」で失敗すれば「フェーズ詐欺」、成功すれば「問題なし」ということで、「『賭け』に出るかどうかは自己責任で判断しましょう」ということになるのかなと思います。

ただ、少なくとも②の場合はあくまで「自分に自信があるかどうか」がポイントなのであって、「周りが信用できないから賭けに出る」というのは不合理な行動とは言えるでしょう。

さらに付け加えると、②の賭けに勝ったとしても「フェーズCの練習PT」に自分以外の「詐欺奴」が紛れ込んでいて「フェーズB」以降の練習ができない可能性は依然として残ります

ということで、「意図的なフェーズ詐欺」って一見すると「自分の意思で採りうる自衛手段」の1つのように思えますが、結局のところ「自分が参加したPTに『詐欺奴』がいるかどうか」という他人の動向に依存している構造は変わらないので、自衛手段としての合理性があるとは思えないんですよね。

(2)現実はおそらくこんな感じ

このように「意図的なフェーズ詐欺」に合理性がない以上、「多くの人がフェーズ詐欺を積極的に行っているわけではない(はず)」ということになります。

じゃあ「何で『フェーズC』の練習PTなのに、『フェーズB』どころか『フェーズA』すら超えられず、肝心の『フェーズC』を全く練習できない事態が多発するんだよ!?」という点ですが、「意図的なフェーズ詐欺」が少ないのであれば「意図していないフェーズ詐欺が多いから」ということになるんでしょう。
(「意図していない」以上、「詐欺」という表現は適切ではない気もしますが・・・)

以下の表は、「現実はきっとこうなんだろうな」という高難易度コンテンツ練習PTの「練度モデル」です。

P1P2P3P4P5P6P7P8
フェーズA100%100%100%100%100%90%80%90%
フェーズB100%100%90%90%100%60%70%60%
フェーズC100%90%80%60%70%40%50%30%
フェーズD30%30%20%20%10%10%0%0%
フェーズE5%5%5%5%0%0%0%0%

上記表では「フェーズDの練習PT」を想定しており、
・P1~P8はプレイヤー。
・フェーズA~Eは、当該コンテンツでクリアする必要があるフェーズの種類。
・パーセンテージは「あるプレイヤーが当該フェーズ処理で成功する確率(練度)」。
を示しています。

このモデルでの「練習PT」が各フェーズを突破する確率は以下の通りで、「目的のフェーズを練習できない事態が多発する要因は何か?」と問われれば、本人に悪気はないのだが募集条件に見合わない練度の参加者が多い ということになるでしょう。
・フェーズAを突破できる確率は約65%
・フェーズBを突破できる確率は約20%
・フェーズCを突破できる確率は約2%

数字だけだとイマイチ状況が見えてきませんが、例えば、

  • P3とP4は、フェーズABCを問題なくクリアできる練度はあるのだが、実はこの練習PTに参加する前に2~3時間ぶっ続けで練習していたため疲れが溜まっており、フェーズBCでミスが出やすくなっている状態(かも知れない)
  • P5とP6は、実は「フェーズC」を練習する目的で「意図的なフェーズ詐欺」を行っている(かも知れない)
  • P7とP8は、「フェーズD」まで1,2回到達したことがあるから「フェーズDの練習PT」に参加しただけで、「フェーズ詐欺」をする意図は全くない(かも知れない)
  • P1かP2のような人が募集主になることが多いと思われるが、P5の人が募集主になるケースもたぶんある(募集主が「意図的な詐欺奴」というケース)
  • P3やP4が募集主というケースもきっとある(募集主にフェーズ詐欺の意図はないが、目的のフェーズ以前でミスが出てしまうケース)

などなど、参加者の主観がどうであれ、色んなケースで発生しうる現実的なモデルかと思います。

このようなモデルをベースとして考える場合、自分以外の参加者の意図や目的は「重要ではない」というか「考えても仕方ない」要素であって、「詐欺奴許せん!」とイライラを募らせるよりは、「野良には色んな人の色んな状況や思惑(自己評価の誤り、その時々の調子、詐欺奴などなど)が入り乱れているから、募集条件と参加者の練度が一致しない方が当たり前」と認識を改めた方が良さそうです。
(上記青枠のP2~P8の主観や目的について、ランダムに入れ替えても現実に成立するケースが多い気がします)

要するに、「『詐欺奴』という『悪人』許すまじ!」という視点ではなく、客観的な「現象」に対して「自分にできる自衛策は何か?」という視点で考えた方が建設的だろうと思います。

3 フェーズ詐欺「現象」への自衛策

では、「野良には色んな人の色んな状況や思惑が入り乱れているから、募集条件と参加者の練度が一致しない方が当たり前」という認識の下で現実的に採りうる自衛策を考えてみましょう。

(1)1トライ当たりのフェーズ進捗を図る

1回の練習で得られる自分の経験値を最大化するための努力です。

  • とにかく自分の練度を上げることに集中(これが一番の基本)
    基本的に他人をコントロールすることは困難なので、「自分ができること」という意味ではこれが一番確実だろうと思います。
    自分が上達して強くなれば、当然、自分が参加したPTが目当てのフェーズ(やクリア)にたどり着く可能性も確実に上がります。
    この点を一番実感しやすいのが、クリア後に消化前の復習や練度上げで野良練習PTに参加したときでしょうか。
  • 予習を最後までしっかりやっておく
    これは「幸運にも練度の高いメンバーが集まったため予想外にフェーズが進んだ場合」に、できる限り自分の練度を上げるためです。
    実際、自分の経験では「零式攻略」が進むのはこのケースが多いです。
    また、私が「フェーズ詐欺は合理的ではない」と考える別の理由として「フェーズ詐欺をすると、この『メンバーに恵まれて進捗が一気に進むチャンス』を自分で潰しかねない」というのもあります。
  • 適度なコミュニケーションを図る
    練度不足でギミックを理解していない人がいる場合、その人がワイプ原因を理解しないまま続けても同じミスを繰り返すだけで埒が明きません。
    「詐欺奴に教える義理はない」という意見も至極当然ではありますが、「自分の時間を無駄にしない」という観点では「詐欺奴に意地でもわからせる」というのもアリだと思います。
  • 焦る/逸る気持ちは分かるが、自分の休息もしっかり取る
    一番上の「自分の練度を上げることに集中」と似たような趣旨です。
    自分がミスをしなければ、その分、自分が参加したPTが目当てのフェーズ(クリア)にたどり着く可能性も上がります。
  • ブラックリストの活用
    あまりにもひどい「詐欺奴」はブラックリストに登録し、将来一緒のPTになる可能性を減らすというのも一つの手でしょう。
    ただし、上述のように「意図的な詐欺」はそれほど多くないはずなので、「詐欺奴許すまじ!」という感情の赴くままにブラックリストに入れるのはちょっと違うかなとは思います。

(2)試行回数を増やす

力業ではありますが、検討すべき堅実な方策です。

  • 3~5滅解散、1飯解散などの募集PTに入る
    実際、この条件でのPT募集は多くなってきていますし、合理的な方法だと思います。
  • 埒が明かなければ「一言断って離脱」か「ギブアップ投票」
    ただし、最低限のコミュニケーション(建前でも離脱の理由を一言添えるなど)や、一定時間は練習に付き合って協力姿勢を示すことは必要でしょう。

(3)野良は諦めて固定を組む

私はまだ固定PTに入ったことがないので何とも言えないですが、特定のメンバーで進捗を合わせて攻略を進めるのは一般論として合理的なのは間違いないでしょう。
ただ、人間関係や練習時間の調整など、野良とは別の、固定PTならではの大変さもあるとは思います。

まあ、そうは言っても雰囲気やプレースタイルなど自分にあった固定に入れるならそれが一番かも知れませんね。

(4)その他

個人的に効果はイマイチと感じるものです。

  • 時間帯?
    「深夜帯ならヘビーユーザー=ゲームが上手い人が集まるかもしれない」と思い、夜中の1時~2時くらいの募集に何回か参加してみましたが、個人的には他の時間帯との違いは感じませんでした。
  • 早期攻略?
    まとめサイトなどを拝見していると「零式は上手いヤツから練習段階を抜けて行くから、実装から時間が経過するほど『下手なヤツ』が取り残される(ので、どんどんクリアが難しくなる)」といった趣旨のコメントを見かけます。
    正直、私はパンデモ零式(辺獄、煉獄)を時間を掛けながらもクリア自体はできているので、この手のコメントが正しいのかよくわかりません。
    もちろん早期攻略勢は熱心で上手い人も多いのだろうと思いますが、「フェーズ詐欺が少ないのか?」となると「そんな都合よく行くかなあ?」とも思います。
    どちらかとういと、早期攻略勢は熱心であるがゆえに「試行回数が多い」「必要なコミュニケーションをしっかり取って意地でも実のある練習にする」といった要因が大きそうな気はします。
    いずれにせよ早期攻略は「零式実装直後は仕事を休む/睡眠時間を削るなどして練習時間を確保する」ことが前提になると思うので、やるなら相当な覚悟が必要でしょうね。

4 まとめ

改めて整理してみると、フェーズ詐欺「現象」を上手いこと避けるための「特効薬」というのはなく、悩ましいのは確かです。

しかし、上述のように、フェーズ詐欺「現象」の多くは「迷惑行為や嫌がらせ」の結果として発生しているのではなく、「野良PT参加者の様々な状況や思惑が存在する」という、いわば当たり前(普通)の状況から発生する「現象」のようなものだと考えられます。

「悪質な迷惑行為」のレベルであれば当然排除されるべきですが、「たまたま都合がつく人同士で、お互いがお互いに利用しあう気楽な関係」が野良の良さでもあると思うので、他人の「アラ」に過度に神経質にならずに、ある程度は「お互いさま」という感覚でいた方が精神衛生上は良いように思います。

本記事は「即効性のある具体的な解決策」を提示するものではありませんが、フェーズ詐欺「現象」で悩んだりストレスを受けている方が少しでも前向きになって頂けたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

以上

零式に挑む~外部ツールの実情と心構え

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