これから始めるゲーミングキーボード

2022年に入ってから手持ちのゲーミングデバイスの故障などもあり、いわゆる「ゲーミングキーボード」の導入を検討することにしました。
といっても、これまで「ゲーミングキーボード」に対する自分の認識は、「高い」「しかし、何がスゴイのかはよく分からない」という程度だったので、改めて「自分に必要な機能は何なのか?」という観点から整理することにしました。

1 愛用の左手デバイスががが・・・

(1)きっかけ

今年(2022年)の正月に、約4年半ほど愛用していた左手ゲーミングデバイスの「G13」が壊れました。
下記画像がその「G13」です。
右側の真ん中あたりにあるアナログジョイスティックが壊れて、頻繁に誤作動を起こすようになりました。
自キャラを前進させようとしたら「斜めに進む」など、かなり致命的。

[Logicool G13 Advanced Gameboard]
もうロジクール社のサイトには掲載されていないので詳細は不明ですが、当時のネット記事などを見る限り、日本では2009年1月30日発売で、2017年後半~2018年初頭辺りで生産・販売終了になったようです。

「ロジクール(Logicool)」社は本来の社名は「ロジテック(Logitech)」ですが、この記事では日本名の「ロジクール」or「Logicool」と表記します。
日本での会社名をわざわざ変えた理由について、ロジクール社の公式資料などは見当たりませんでしたが、「同社が日本に進出した際に、すでに『ロジテック』という別会社が日本国内に存在していたために名前を変えた」という話をネット上で見かけます。
しかし、ホントのところはどうなんでしょうね?
会社名が同じ例なんて世の中にいくらでもあると思いますし、「そんな理由で別の社名を使うか?」というのが私の感覚です。

私が一番よく遊んでいるFF14での操作は、
・左手はこの「G13」でキャラの移動とスキル・アビリティ入力
・右手は同じロジクール社の多ボタンマウス「G600」でカメラ操作と補助的スキル・アビリティ入力
というのが大前提となっており、正直、大変困った事態になりました。
考えられる対応策は、①修理②買い替え③代替手段になるわけですが、

①修理
ロジクール社に確認したたわけではないものの、すでに生産・販売を終了している製品なので、費用や時間の面で大きな労力が必要となる可能性が高い。
また、近い将来、「修理」そのものが不可能となる可能性も高い。

②買い替え
勝手な想像だが、G13は特殊デバイスゆえ商売としてはあまり利益が見込めなさそう(だから生産・販売停止)なものの、少数ながら(自分のようなゲーム好きの)根強いニーズはあると思われる。
そうすると、新品も中古品も高騰することが予想され、案の定、Amazonやヤフオクといったネット販売では定価の2倍(2万円)以上などになっている。
しかし、仮にそれだけのコストを払って買い替えたとしても、経年劣化や故障でいずれ使えなくなるのは避けられないのだから、問題の先送りなだけであまり上手い対応策とは言えなさそう。

③代替手段
ということで、ここは素直に代替手段を模索すべきでしょう。

(2)代替手段の模索

そして、こんなこともあろうかと!
「G13」が使えなくなったときの代替品として、私はあらかじめ以下の2製品を確保していました。
◆Razer社:Razer Orbweaver Chroma
◆HORI社:TACTICAL ASSAULT COMMANDER F14

[Razer Orbweaver Chroma]
日本では2015年11月27日発売。私の場合、2018年ごろに「予備としてG13の2台目を買おうとしたらすでに生産・販売停止になっていた」ので、G13の代用予備品のつもりで購入した記憶。3年以上箱に入ったまま眠っていましたが、問題なく動きました。
[TACTICAL ASSAULT COMMANDER F14 FINAL FANTASY XIV EDITION]
2019年11月21日発売。ただし、「プレオーダー品」ということで、1回目の販売は2019年年6月~7月頃に受付けした事前注文分だけの販売。私は、2019年12月に受付けがあった2回目の販売時に注文し、翌2020年の夏~秋くらいに届いたと記憶しています。確か、コロナの影響で生産・発送が遅れたんですよね。その後はチェックしてなかったのですが、直近だと2021年5月に注文受付けがあったようです。

我ながら「快適なゲーム環境構築への熱意はなかなかのものだなあ」と感心したというか、「明らかに特殊なデバイスで、使うかどうかも未定の予備品にここまでお金をかけるのは一般的じゃないよなあ」と若干引いたというか。
それはともかく、これで「G13」を使っていたときとほぼ同じ環境を再現できるので、当初の目論見としては「めでたし、めでたし」となるはずだったんですが、改めて考えてみると「そうでもないか」と感じ始めました。

Razer Orbweaver Chroma
  • 後継機(Tartarus?)がRazer社から出ており将来的なメンテナンスや買い替えに対する不安は和らぐものの、左手親指で操作する8方向サムパッドは角度が特殊なうえ、アナログジョイスティックとは異なり8方向のデジタル入力(キーボードによるWASD移動と同じ)なので、期待していた動き方とは異なり違和感が大きい。
  • 「違和感」は慣れの問題ではあるが、原理的にキーボードと同じ操作なら、特殊デバイスで「慣れてしまう」よりは素直にキーボード操作を習得した方が将来的には良いのではないか?
TACTICAL ASSAULT COMMANDER F14
  • FF14の「吉田P/D完全監修」を謳い文句にしており、少なくともFF14の操作においては「G13」とほぼ同じ使い方ができるので、「G13の代替手段」としては現状で最良と思われる。
  • しかし、やはり利益的に厳しいのか、これまで数回の受注生産・販売が行われたのみで、PCデバイス専門ではないHORI社がいつまで生産・販売を維持できるのか?という不安はぬぐい切れない(結局、今の「G13」と同じような状況になるのではないか?)

ということで、左手用の特殊デバイスがとても便利なのは間違いありませんが、「それありき」というゲーム環境は見直した方が良さそうだと思い始めました。

さらに、冒頭でも述べた通り、私は右手デバイスとしてロジクール社の「G600」(2012年7月20日発売)という多ボタンマウスを使っているのですが、こちらもおそらく世間一般では「特殊なマウス」の部類と思われます。
(側面12個のボタンなど計20個のボタンがあり、「Gシフトキー」との組み合わせでほぼ倍の40個近いキーを自由に割り当てできるなど)
そして、この「G600」は、発売から10年以上経過しているにもかかわらず「後継モデル」と言えそうな機種はいまだに登場していません。
また、コロナによる一時的な影響なのか、それともやはり世間一般の需要が小さいゆえなのかは分かりませんが、ロジクール社のホームページでは長期間「品切れ」表示になっていたこともありました。
(直近だと2021年~2022年にかけて、おそらく1年くらい品切れ表示でした。ただし、2022年8月時点では在庫が復活。)
今のところ、生産・販売停止のアナウンスがあったわけではなく、家電量販店やネット販売でも通常価格で入手できるようですが、こちらも何となく不安が残るのが現状。
であれば、この際、「便利だが特殊すぎるデバイスによるゲーム環境は持続が難しい」ものとして、抜本的に考えを改めた方が良さそうです。

(3)じゃあ、どうする?

では、できる限り一般的で代替の利く(今後も無くならないであろう)ゲーミングデバイスは何か?と改めて問われると、それはやはり「ゲームパッド」(コントローラー)か「キーボード&(一般的な)マウス」だろうなと。
ただ、もともと私が「左手デバイス&多ボタンマウス」という特殊デバイスに落ち着いた理由は、「ゲームパッドの限られたボタンで多数のアクションを使いこなす自信がないので、なるべくボタンとアクションは一対一対応になるようにしたい」というものでした。
戦闘時に使うアクション数だけで30~40種になるFF14は特殊かもしれませんが、Nintendo Switchのゲームをやっていても「ボタンとアクションを一対一対応にしたい」と思うことは多いので、個人的には「キーボード&マウス」の可能性を探ってみたいところです。
ということで、導入として長くなりましたが、今回、真剣にゲーミングキーボードの導入を検討することにしました。

2 キーボードに期待すること

まず「目標・ゴール」の確認です。
自分が「キーボードで実現したいことは何か?」というのは以下の2点になります。

  • できる限り一対一対応のシンプルな入力操作
    「〇〇を押しながら△△を押す」や「ジョイスティックを『倒す』と移動、『押し込む』としゃがむ」といった操作方法は、個人的には「意図せぬ挙動により萎える」原因として一番大きいので、できる限り避けたい。
    キーボードの「ボタンがたくさんある」という特徴は、「ゲームパッド」に対する一番大きなアドバンテージだと思うので、ここはこだわるべきポイントかなと。
  • キー割り当てのカスタマイズ性
    これはゲーム側でキー割り当ての変更に対応しているケースも多いのですが、ゲームによっては対応していなかったり使えるキーが限られたりといった限界があることも想定されるので、キーボード側でキー割り当てを変更できる方が望ましい。
    また、ゲーム外の事情としては、「Windowsキー」や「OSや他のアプリで設定されているショートカットキー」についても、ゲーム起動時は無効化したり、ゲーム操作には影響しない場所にキーを割り当てたりすることで、ゲーム中にPCが意図せぬ挙動をしないようしたい。

以上2点をまとめると、重視したいのは「ゲームを自由自在に操作できて、フローや没入感を阻害されない」ということですかね。

3 想定課題

では、「一対一対応の入力操作」と「キー割り当てのカスタマイズ性」の達成を阻害する課題(ハードル)として、どんなものが想定されるでしょうか?

(1)キー入力の問題全般

下記の記事で、FF14でのキーボード操作の具体的な不都合とその対処法についてまとめているのですが、

FF14 ホットバーへのキーバインド設定(左手デバイス&マウス派向け)
キー入力の誤検出・誤認識

例えば「『Ctrl+1』を押すと攻撃Aが発動する」、「『6』を押すとバフBが発動する」という設定のとき、「『Ctrl+1』と『6』を連打していたら、全然関係ない『Ctrl+6』に割り当てたスキルが発動した」というケースを割と頻繁に経験しました。
あくまで私の仮説にすぎないのですが、このケースが発生するのは「左手デバイスで『Ctrl+1』を押す」&「右手デバイス(多ボタンマウス)で『6』を押す」という「入力デバイスが別々の場合」だったので、ボタン連打により、先行入力「Ctrl+1」の「Ctrl+」をシステムが認識した直後に後続入力「6」が押されることで、結果的に「『Ctrl+6』が押された」と判定されたのではないかと考えています。

この仮説が正しいかどうかはともかく、入力デバイスが複数あること自体、何らかの不具合や意図しない挙動の原因になってもおかしくありません。
なので、素人的な発想ではありますが、
・入力デバイスを、キーボードという1つのデバイスに統一したうえで、
・例えば「『Ctrl+1』の後に『6』が押された」といった「キーの種類と押下の順番」を確実に検出・認識できて、かつ、同時に検出・認識できるキー数が多いキーボード
であれば、「意図せぬスキルの発動」という事態はかなり防げそうです。
この辺は、ある程度「キーボードの仕組み」そのものに関係していそうな感じがします。

既存ショートカットキー(Windowsショートカットキーなど)とのバッティング

大まかな回避策としては以下の2つでしょうか。

  • 回避策1
    「既存ショートカットキーとバッティングしないキーバインド(キーの組み合わせ)」(3キーとか4キー同時押しなど)を設定する。
    ⇒この回避策は、上記の「キーの種類と押下の順番」を確実に検出・認識できて、かつ、同時に検出・認識できるキー数が多いキーボードであるのと同時に、キーボード側でキー割り当てを自由に変更できる機能があれば解決できそうです。
  • 回避策2
    キーボード自体に、ゲームモード=「Windowsで設定されているショートカットキーなどを無視できる」といった機能が搭載されていればありがたい。
    ただし、メールやブログ記事作成など、ゲーミングキーボードでの普段使いも想定しているので、ワンタッチで通常モードとゲームモードを切り替えられるのが望ましい。
    ⇒こちらの回避策は、「キーボードとしての基本性能」ではなく「ゲームのための特別機能」として解決する方向なので、「その機能がなければおしまい」という感じではあります。
    ただ、「ゲーミングキーボード」を名乗るのであれば、類似機能の搭載を期待してもおかしくはないでしょう。

(2)カメラ操作

通常、PCゲームではマウスでのカメラ操作が想定されており、(右利きであれば)カメラ操作とクリック操作で右手がふさがります。
一方、キーボードによるWASD移動操作の場合、左手側は「移動」のために3本の指を常時使うことになるため、左手の残り2本の指で操作できるキー数や範囲は、自ずと限定されます。
したがって、ゲームによっては「キーボード&一般的なマウス」では不十分なケースも想定されます。
(FF14は特にそう感じます)
であれば、右手もキーボード操作をメインにする(基本的にマウスは使わない)カメラ操作も含め、キーボードだけで全ての操作を完結できるか?ということが課題として想定されます。
そして、この課題は、キーボード側でキー割り当てを自由に変更できるのであれば、後はゲーム内での操作設定や自分自身の操作習熟度の問題に帰結するので、上記(1)の課題に集約されそうです。
この辺りは下記の記事で別途まとめています。

FF14をキーボードのみで遊ぶ方法を考えた(日本語配列キーボード版)

(3)ゲーム内でのメニュー選択など

これまではマウス操作でゲーム画面上のアイコンを選択していたわけですが、キーボードだけで操作を完結しようとすると、そのような直感的な操作はできなくなります。
ただ、これ自体はゲームパッドと同じ状況になるだけなので、課題というほどのものではないかもしれません。
また、「画面上のアイコンをクリックする」という程度であれば「一般的なマウス」でも全く問題ないわけで、ゲーム内の状況に応じて「マウス&キーボード」か「キーボードのみ」かを使い分ければ済みそうです。

(4)まとめ

ということで、上記の想定課題に対処できるキーボードのラフなイメージ(要件定義)としては、

  • 「キーの種類と押下の順番」を確実に検出・認識できて、かつ、同時に検出・認識できるキー数が多い
  • キーボード側でキー割り当てを自由に変更できる
  • 「Windowsで設定されているショートカットキーなどを無視できる」といったゲームモードがあり、通常モード(ゲーム外の作業用モード)とワンタッチで切り替えできる

ということになります。
その他にも「耐久性」、「値段」、「テンキーあり(フルサイズ)かテンキーなしか」辺りも考慮要素になりますが、この辺りになってくると個別事情の影響が大きくなってくるので、本記事では省略します。

4 想定課題に対する具体的な解決機能は?

では、上記の「課題」を解決するためのの機能は「何」と言うのか?
それは実際に存在するのか?
(「それ何て名前?」ということです。「名前」が付いてなければ一般に機能として存在せず、課題として認知されていないということなので)

①アンチゴースト
ゴースト現象とは「押されていないのに押されたと判断されるキー」のことで、「キーマトリックス(Key Matrix)」という現在のキーボードで一般に採用されている仕組み上、ある一定の条件下ではどうしても発生してしまう現象のようです。
今回はキーボードの仕組み解説を目的とするわけではないので、本記事では詳細を記載しませんが、ゴースト現象の原理については下記の4Gamerさんの記事が参考になります。
「4Gamer Keyboard Checker」:「●キーボードの仕組みと『ロールオーバー』」の箇所

私が経験した「『Ctrl+1』と『6』を連打していたら、全然関係ない『Ctrl+6』に割り当てたスキルが発動した」というのがこの「ゴースト現象」に該当するのかは不明ですが、いずれにせよ「キーの種類と押下の順番」を確実に検出・認識できるためには、どう考えてもこの「ゴースト現象」は回避する必要があります。
したがって、「アンチゴースト機能」は必須機能になります。
といっても、「ゲーミングキーボードを名乗る以上は当然だよね」というレベルの機能のようで、大抵の「ゲーミングキーボード」には備わっているようです。

②Nキーロールオーバー
Nキーロールオーバーについては、数年前までの少し古い記事や製品説明などでは、微妙にニュアンスの異なる定義や説明が混在している一方、最近は「全キーロールオーバー」の一言とか、せいぜい一行程度の簡潔な説明というのが主流と感じます。
とりあえず、本記事での「Nキーロールオーバー」とは、キーボードで複数のキーが同時に押された場合、その押された順序に従ってすべて認識されるというスペックというWikipediaの定義に準拠します。
例えば、「10キーロールオーバー」なら「キーボードで10個のキーが同時に押された場合、その押された順にしたがって10キーすべてが『PC側に』認識される」という意味と考えます。

この「Nキーロールオーバー」の別の定義として、「複数のキーを同時に押した場合に、最後に入力したキーが有効になる機能」というものも見かけます。
これはどうやら「パソコン」と「キーボード」を接続する規格の変遷(「PS/2」接続から「USB」接続へ)が影響しているようです。

「PS/2」接続端子の画像。右側の紫と緑の端子の下にキーボードとマウスの絵が描かれています。最近は全く見かけませんね。

その昔、「パソコン」と「キーボード」を接続する規格が「PS/2」接続だったときは、基本的に「キーボード上のすべてのキーの同時押しを検出し、PC側で認識させること」が可能だったようで、そもそも「Nキーロールオーバー」という言葉自体が存在していなかったようです(当たり前の機能なので)。
しかし、「パソコン」と「キーボード」を接続する規格として「USB」接続が主流になると、当然、「パソコン」と「キーボード」の間でやり取りできる情報もUSBの仕様に従わざるを得なくなります。
そして、USB接続には「一度にPCへ送れるキーの数は、修飾キーを除いて6キーのみ」という仕様上の制限が存在します。
(この辺りについても、前掲の4gamersさんの記事「4Gamer Keyboard Checker」の「●『同時押し』は接続インタフェースに起因する仕様」の箇所が参考になります)
これはつまり、「仮にキーボード側でアンチゴースト機能などを搭載して6キー以上の同時押しを検出できるようにしても、USB接続である限り、PC側に認識させることができる『同時押しのキー数』は6キーまで」(すなわち、キー数としては「6キーロールオーバー」と同等の性能しか発揮できない)ということになります。

で、ここからは私の想像(というか邪推かも)なのですが、メーカー・販売店側の都合上、「キーボードの基本性能としての『Nキーロールオーバー』は訴求したい。
しかし、USB接続の仕様上の制限から、実際には「6キーロールオーバー」と同等の性能しか発揮できないのも事実。
であれば、「『Nキーロールオーバー』の定義を変えてしまおう」ということで、「複数のキーを同時に押した場合に、最後に入力したキーが有効になる機能」というヘンテコな定義が生まれたように感じます。
ちなみに、この定義による「Nキーロールオーバー」とは、例えば「7キーロールオーバー」の場合、「ABCDEFG」の順に7つのキーを同時に押すと、「1番目に押した『A』は、7番目に『G』が押された際に、たとえキーボード上で『A』を押したままであっても、PC側では『A』が離された(押されなくなった)と認識されるが、7番目に押された『G』は確実に検出しPC側に認識させる」ということを意味するようです。
(これに対して、「6キーロールオーバー」の場合、そもそも7番目に押した『G』は検出されない)

・・・まあ、ユーザー目線で考えた場合、
「結局、PCが認識できるキー数は6キーのままで変わらないのに、その定義にいったい何の実益があるの?」
「ゲームなり仕事なりでの具体的な利点や特徴はなに?」
「それはユーザーにとって嬉しいことなの?」
と疑問だらけのよくわからない定義と感じます。

なお、現在は、「一度にPCへ送れるキーの数は、修飾キーを除いて6キーのみ」というUSB接続の制限に対して、各メーカーの独自の工夫(PC側に複数のキーボードが接続されているかのように認識させる、など)により限界突破している製品もある、という状況のようです。
この「限界突破」について各メーカーの製品ページをチェックしたのですが、この欄の冒頭に記載したように、単に「全キーロールオーバー」の一言とか、せいぜい一行程度の簡潔な説明というのが多く、「USB接続の仕様上の制限に対して、どういう対策をしているか?」について詳細に言及しているケースは見当たりませんでした。
まあ、「Nキーロールオーバー」の定義の混乱については、とりあえず「一昔前の状況」という感じがするので、今のところは「全キーロールオーバー」と言われたら、たとえUSB接続であっても、素直に「キーボード上の全キーが同時に押された場合でも、その押された順序に従ってすべて認識されること」と捉えることにします。
今後、個別のゲーミングキーボード製品で気付いたことがあれば、随時ブログ記事でまとめていきたいと思います。

「ロールオーバーできるキー数は何個あれば足りるか?」という問題は、遊ぶゲーム(FPSなのかMMOなのかオフゲーなのか)にもよるので何とも言えませんが、Nキーロールオーバー自体は「『キーの種類と押下の順番』を確実に検出・認識できる」機能を保証・増強するものとして必須と言えそうです。

③キー割り当て機能
各社の製品ページをチェックしたところ、キー割り当て機能について明記しているメーカーは意外と少ない印象です。
また、キー割り当て機能があったとしても、
・全製品に標準搭載しているメーカー
・高価格帯の製品にのみ搭載しているメーカー
・一部のキーのみの限定的な機能として搭載しているメーカー
など状況は様々で、「キー割り当て機能」自体は一般的な機能とは言えないようです。
ただ、「キー割り当て機能」がないと、カメラ操作まで含めたキーボード操作がおそらく無理なので、「キー割り当て機能」も必須だと考えています。

④ゲームモード

  • キーロック機能
    「WIN Lock」や「Windowsキー無効化」だけでなく、「特定のショートカットキー(Alt+F4など)の無効化もできる」といった内容を明示しているものが結構あるので、割と一般的な機能と思われます。
    ということで、「キーロック機能」はある方が望ましい
  • モード切替
    ゲーム用の「キー割り当て」や「キーロック」を設定すると、文章入力などの普段使いの際に支障が出る可能性があるので、何かしら「通常モード」と「ゲームモード」を切り替える手段を用意している製品が多いです。
    「モード切替」については、「キー割り当て」や「キーロック機能」があるなら是非とも欲しい機能という感じでしょうか。

5 キーボードの仕組み上の比較検討ポイント

上記の「欲しい機能」の観点のほか、キーボードの仕組み一般の観点から比較検討ポイントをまとめています。
「ゲーミングキーボード」で検索して上位に出てくる情報としては、こちらの方が一般的かもしれません。

(1)キーボードの仕組みに基づく分類と特徴
一般的には、キーボードのスイッチの構造の違いから分類されることが多いのですが、これについては下記の記事が大変わかりやすかったです。
キーボードで使われるキースイッチの構造と違い~メンブレン 、パンタグラフ、メカニカル、静電容量無接点~

実際のお店に並んでいる分類としては以下の4種類に分けられていることが多い気がします。
①メンブレン式(メンブレン+ラバードーム式)
②パンタグラフ式(メンブレン+ラバードーム+パンタグラフ式)
③メカニカル式
④静電容量無接点式
ただ、「ゲーミングキーボード」という括りでは、「①メンブレン式」と「②パンタグラフ式」を分ける実益はあまりなく、大枠(基本構造)の分類である以下の3つを把握しておけば良いと感じます。

メンブレン式

・大量生産が容易で安価なため、電化製品やリモコンのスイッチにも多く採用されているスイッチ方式。
・PC向けキーボードとしても一番多く普及していると思われる(安いキーボードはだいたいこれ)。
・スイッチ部分を一枚の膜(membrane)で全キーが共有する構造なので、「膜(メンブレン)に不具合が発生するとキーボード全体が機能しなくなる」という意味で「耐久性に劣る」という説明も見る(が、個人的には「キーボードの使いすぎで動かなくなった」という経験が思い当たらないので、実感は伴わない)。

メカニカル式

・メンブレン式と異なり、キー1つ1つが単体のスイッチとして独立している構造。
・「ゲーミングキーボード」では主流。スイッチがそれぞれ独立していることから、カスタマイズやメンテナンスが容易で、かつ打鍵感(キー押下の感触や音など)といった製品の個性を出しやすことから主流になっているように思われる。
・「キースイッチの耐久性に優れている」という説明をよく見かけるが、「なぜ優れているのか?」という根拠・理屈まで記載されているものは見当たらない(メンブレン式と異なりスイッチが独立していることから、「あるスイッチが故障しても他のキーへの影響が限定的」という意味で「キーボード全体が使えなくなる事態は発生しにくい」という趣旨な気がする)。

静電容量無接点式

・名前の通りスイッチ(on-off判定)部分につき物理的な接点を持たず、キーが押し込まれ電極同士が一定レベルまで接近すると、静電容量(主にコンデンサで使われる電気エネルギーの貯蓄容量)の変化を検知して入力されたことを伝える仕組み(だそうです)。
・技術的に詳細なところはよくわかりません(涙)が、「スイッチ部分に物理的な接触がないため耐久性に優れる」という説明には納得。
・製品ラインナップや販売店の売り場で確認した範囲では、2万円台~3万円以上するキーボードでお値段はかなり高い。

(2)打鍵感
ほぼほぼメカニカル式限定の訴求ポイントになりますが、いわゆる「赤軸」・「青軸」・「茶軸」といった「軸」の種類ごとに、キーを押下した際の感触・手ごたえ・音がかなり異なる(個性がある)のは確かです。
なので、メカニカル式を購入する場合は、ゲーミングデバイスコーナーを設けている少し大きめの家電量販などに行き、実際の売り場で押下の感触を確認した方が良いのではと思います。
ちなみに、私の場合、「青軸」(キーの押し上げ圧や反発力が強いタイプ。「クリッキー」と表現されることもある。)は押下の感触は悪くないのですが、カチャカチャ音がするのが気になるので、メカニカル式を購入するなら「青軸」以外にしようかなあ、という感じです。
打鍵感は完全に個人の好みの話だと思います。

6 候補キーボード

ということで、自分が欲しいキーボードの機能を長々と検討してきました。
個別のキーボードの評価について書くとなるとさらに長くなってしまうので、取り急ぎここでは私の現在のメインキーボードであるTK-ARMA50BK (Elecom)を参考としてご紹介します。

上記画像は「TK-ARMA50BK」の実機画像
TK-ARMA50BK
総合評価
 (5)
  • メーカーサイトの定価は28,996円(税込)となっていますが、現在は事実上値下げされたようで、量販店などでの価格は1万円台前半が多い。
  • アンチゴースト機能あり。
  • 全キーロールオーバー。
  • Fnキーとびゲーミングモード切替キーを除く通常キーすべてが割り当て機能に対応(専用ソフトウェアによる各キーごとのカスタマイズに対応)。
  • ゲーミングモードとチャット(通常入力)モードを1ボタンで瞬時に切り替え可能。
  • 基本的に日本語配列キーボードですが、FPSゲーム向けとして「変換キー」と「無変換キー」をなくしスペースキーを可能な限り広くしたオリジナル配列を採用(スペースキー周りは英語配列キーボードに似ている)。
  • 欲しい機能がすべて入っており、価格も1万円台前半で文句なし
  • 個人的には打鍵感がかなり良いです。押下の感触(クリック感)がしっかりある一方で、それほど強い力は必要とせず、「クリック感」と「静音性・疲れにくさ」とのバランスが取れていると感じます。

「流石の高級モデル」という使用感で、「欲しい機能①~⑤」が全部入りなうえ事実上の値下げもされており、現状ではイチオシの機種ということで総合評価5点としました。

もし「他に候補となる具体的なキーボードはないのか?」「他機種の使い勝手はどうなの?」という点が気になる方は、下記の「ゲーミングキーボード選び」を読んでもらえると幸いです。
基本的には「なるべく欲しい機能が搭載されており、かつ数千円から1万円台前半のモノ」という観点でおススメのキーボード機種を選びました。
(なお、私個人のニーズとして「有線&テンキーあり(フルサイズ)」が前提となっています)

おすすめのゲーミングキーボード

本記事がこれからゲーミングキーボードの導入を考えている方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

以上

ゲーミングPC選びの基本の「き」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA