【ニンテンドーDS、プレイステーション・ポータブル】国内出荷本数 上位5タイトルの推移(2004/12 – 2014/03)【BCR】

ニンテンドーDS、プレイステーション・ポータブルの国内出荷本数Top5についてバーチャートレースを作成しました。

当時の停滞していたゲーム業界の限界をニンテンドーDSがぶっ壊したという意味で、まさしくイノベーション の一例だったことは間違いないでしょう。

1 うごくグラフ(1分25秒)

【DS/PSP】国内上位5タイトルの出荷本数推移(バーチャートレース形式)
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この国内上位5タイトルBCRシリーズも2000年代中盤まで時代が進み、いよいよニンテンドーDSの登場を迎えます。

どこから話を始めるべきかと考えると、まずは当時の任天堂ニュースリリース 「二画面」新携帯ゲーム機の発売に関して に目を通していただくのがよいでしょう。

そこでは以下のような ゲーム体験のマンネリ化一般ユーザーのゲーム離れ という当時の問題意識がはっきりと明記されています。

任天堂が1983年にファミコンを発売して以来すでに20年が経過し、ゲーム機の性能は目覚しい進歩を遂げたものの、新しい魅力あるゲームソフト開発は行き詰まりを見せてまいりました。(中略)むしろ大多数の皆様は、ビデオゲームに興味はあっても、楽しむのに必要な時間とエネルギーが多過ぎて自分たちには手が出せないと感じておられるのではないでしょうか。

そして、

既存のゲーム機では決して味わえなかった「異質なプレイ体験」を世界中のお客様にお届けしたいと思います。

ということで、このままゆっくりと沈んで行くかのように見えたゲーム業界の停滞を打ち破るため、折り畳み式上下2画面・従来のボタン操作に加えてタッチスクリーンでのタッチ(ペン)操作という、当時としてはいかにも奇抜な携帯ゲーム機 “ニンテンドーDS” が投入されます。
(スマホが広く普及した現在なら、それほど違和感ないかも?)

いや~、しかしニンテンドーDSももう20年以上前のことなんですねぇ・・・。

もはや「歴史」の立派な一部という感じですが、その「歴史」については多くの人がご存知でしょう。

スーパーマリオ64DS(2004年12月)こそ従来の人気シリーズタイトルですが、それ以外に

さわるメイドインワリオ(2004年12月)
nintendogs(2005年4月)
東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング(2005年5月)
やわらかあたま塾(2005年6月)

といった、「グラフィックの豪華さや、より高度で複雑に凝ったゲームシステム」とはほど遠いタイトルが軽々とミリオン越えのヒットを飛ばして行きます。

そして、これらの新規タイトルが新しい顧客層を開拓したからなのか、それとも一度離れた一般ユーザーを呼び戻したためなのか、

おいでよ どうぶつの森(2005年11月)
New スーパーマリオブラザーズ(2006年5月)
ポケットモンスター ダイヤモンド・パール(2006年9月)

などの人気シリーズの続編が500万本越えの大ヒットを連発します。

特に「New スーパーマリオブラザーズ」は、2006年5月の登場以降、少なくとも2013年までの7年間売れに売れ続けて、国内セールストップの「スーパーマリオブラザーズ」(ファミコン、681万本)に迫る649万本まで売れました。

また、ドラゴンクエストIX 星空の守り人(2009年7月)のすれ違い通信で「まさゆきの地図」をはじめとする「宝の地図」を手に入れるため、DSの電源を入れたままバッグに忍ばせて外出しまくった人も多いことでしょう。
(こちらもちょっとした社会現象でした)

そして、もはや語るまでもなくポケモンシリーズの強さは相変わらずです。

日本人、ポケモン好きすぎる。

なお、プレイステーション・ポータブルからは唯一 モンスターハンターポータブル 3rd(2010年12月) がランクインしています。

最後の方はマリオ・ポケモン・モンハンという定番の人気シリーズが上位を独占しますが、販売数を見ればすべて300万本を超えており、ゲーム業界に活気が戻ってきたことは明らかでしょう。

総じてニンテンドーDSは、携帯ゲーム機であるがゆえにマシンスペックに物足りなさはありましたが、行き詰まりを見せていた当時のゲーム業界の限界をぶっ壊したという意味で、まさしくイノベーション の一例だったことは間違いないでしょう。

2 注記

(1)グラフ形式

バーチャートレース(Bar Chart Race、BCR)

(2)期間

2001年1月から2007年10月まで

(3)略称一覧

スーマリ64:スーパーマリオ64DS
さわるワリオ:さわるメイドインワリオ
脳トレ:東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング
あたま塾:やわらかあたま塾
おいで森:おいでよ どうぶつの森
もっと脳トレ:東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング
マリカDS:マリオカートDS
Nスーマリ:New スーパーマリオブラザーズ
ポケモンD/P:ポケットモンスター ダイヤモンド・パール
ドラクエ9:ドラゴンクエストIX 星空の守り人
ポケモンHG/SS:ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー
ポケモンB/W:ポケットモンスター ブラック・ホワイト
モンハンP3rd:モンスターハンターポータブル 3rd
ポケモンB2/W2:ポケットモンスター ブラック2・ホワイト2

(4)情報源

スクエニ
CESA
  • 2021 CESAゲーム白書
  • 2023 CESAゲーム白書
    (なお、「CESAゲーム白書」は完全リニューアルされ、2024年度から「CESAゲーム産業レポート」として刊行)

(5)その他

あくまで当ブログが、一般に公開されている情報を集めて「出荷本数データ」として集計しているにすぎません。

日本国内で販売され、流通したすべてのゲームタイトルを網羅しているわけではない点につき、ご了承ください。

なので、もし上記の「(4)情報源」以外に一般的に閲覧できる良い時系列データがあれば、ぜひコメントなどで教えてほしいです。

また、各タイトルごとの月間の売上本数も、そのすべてを第三者が正確に把握することは不可能なので、当ブログが考える「ゲームソフトの売れ行きに関する一定の基準」で調整しているデータが多数含まれます。

あくまで「売上レースっぽい雰囲気を楽しむもの」とご理解いただければと思います。

以上、ご参考になれば幸いです。

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